熱さまし・冷却用シート 寝るときには外すのが ベター
- 2007.05.19 Saturday
- 12:48
薬局で、「オトナ用・子供用・赤ちゃん用」、「おでこ用、わきの下用」、「キャラクターもの」など、さまざまな種類が出ている、「熱さまし・冷却用ジェルシート」。
この「熱さまし・冷却用シート」を、おでこに貼っている幼児をよく見かけます。
わが子の通っている保育園でも、ちょっと打ち身をしたり、熱っぽい子供がいると先生が貼ってくれるようです。
「熱さまし・冷却用シート」を貼られた子供は、たいがい、うれしそうです。
子供はバンソウコを貼ってもらったりすると、トクベツな気がするようで、「見て見て〜」と誇らしげにひけらかすのです。
また、親にダッコされて、高熱でぐったりの乳幼児にも、たいがいオデコには「熱さまし・冷却用シート」が貼られています。
しかし、【乳幼児に「熱さまし・冷却シート」を貼ったまま、寝かせてはいけない】ということが、意外に知られていないように思います。
熱さまし用ジェル状冷却シートの使用に注意
■ 国民センターホームページより抜粋
2004年4月下旬北海道内において、発熱した生後4ヶ月の男児の額に、熱さまし用ジェル状冷却シート(以下、「冷却シート」という。)を貼り看護していた母親が、夕食の後片付けのためしばらく側を離れたのちに戻ったところ、冷却シートが男児の口と鼻を塞ぎ、窒息状態となった。救急車で病院に搬送後、人工呼吸管理をはじめ、さまざまな治療を施し一命は取りとめたものの、低酸素性虚血性脳症が認めら、今後将来にわたり全介助が必要なほどの重度な障害が残る可能性が極めて高い。
▼ このように、幼児が寝ているあいだに、「熱さまし・冷却用シート」が、口や鼻をふさいでしまう危険性があるのです。
▼ 「熱さまし・冷却用シート」の注意書きには、このようにあります。
■ 使用上の注意
・ お子さまが肌に違和感(かゆみなど)を感じていたり、異常(ハレ、かぶれなど)が現れるなど、肌に合っていないと感じた場合は使用を中止させる。肌に異常が残っている場合は本品を持参の上、皮ふ専門医などに相談する。
・ お子様が食べてしまったり、口や鼻に貼り付けてしまったりしないように充分注意する。
・ 乳幼児に使用の際は、保護者監督のもと充分に注意する。
・ 本品は医薬品ではないので、高熱や発熱が続く場合は医師に相談する。
・ 高温の場所は避け、なるべく冷暗所に保管する。
▼ 熱を出している乳幼児が、窒息してしまうという痛ましい事故は、なんとしても避けなければなりません。
▼ 私は、薬局の窓口で薬を渡すときに、おでこに「冷却シート」を貼っているお子さんの保護者には、「お子さんが寝てしまったら、シートを外してください。小さいお子さんで、シートが口や鼻をふさいでしまう事故が報告されているんです。そばで寝顔をずっと見守っていられるなら、貼っておいてもかまいませんが」と注意をしています。
すると「へぇ〜!そうなんですか?!」という返事がとても多いのです。
▼ これまで、たまたま、事故に遭わなかっただけでしょう。
ただでも、小さいコドモは、ぐっすり寝てしまうと、ベッドから転げ落ちたり、寝具と壁のすきまにはさまってしまったりします。
何歳ならダイジョウブということは言えず、個人差もあるでしょう。
多くの人が気軽に貼っている、「冷却シート」。
お子さんが寝るときは、外しておくのが、無難です。
ほんの数分でも、目をはなすと危険です。